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Japanische Klassiker mit Furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme

Aozora Bunko

……この今松の、師匠についての考え方もまたたいへん間違っていた。

なるほど、この頃、助六は神田の川竹を必ず抜いて休んでいる。

川竹では、いま人気者の助六に抜かれては困るので、助六の人力車のやって来るほうへ見張りを出させておいては、

「ドッコイ待った」

とその棍棒をつかまえる。そうして、無理矢理、高座へ引っ張り上げる。

ところがこんなことが二日三日続いたと思ったら、今度は助六の人力車はパッタリ川竹の近所を通らなくなってしまった。まったく思いもかけない道を大廻りしては、赤坂一つ木の真打席へまっすぐ駆けつけていくらしい。

さて一つ木の寄席のほうでは助六が到着すると、楽屋の奥の小ぢんまりした部屋へ通し、高座へ上がる番のくるまでごくいいお酒を一合、吟味したお新香を肴に添えて出す。チビリチビリそれをやっては、やがて自分の番がくると、あの閻魔顔全体がたちまちとろ火へかけて煮くたらかしたかのようにデレッと崩れて、見ただけでプッとふき出したくなるような雰囲気を十二分に発散させながら、ノコノコ高座へ上がっていく。

……それを今松しきりに悪く言うのだけれど、助六のことにすると決して横着で神田の川竹を抜き、一杯飲めるから赤坂のほうへ足が向くなんてそんなのじゃなかった。