Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
飲もうと思えば、いま日の出の勢いの雷門助六。二升か三升でも手銭で飲める。
そうじゃない、ひと口に言ってしまえば、神田の川竹は始終大入りだったからだった。
よく客が詰めかけてきているからだった。
そんなところは助六一人休んだとて、明日の客足には決して障らない。
然るに一つ木のほうはどうだろう。
へんぴな山の手ではある。
客はあまり来ない。
大真打の言ったら真打の自分ただひとりで、あとは皆、中どころの看板ばかりだ。
なればこそ席亭もこの人大切とばかり、心を含めたお酒と肴を持ってきては、うやうやしく毎晩もてなすのだ。
なればこそまた助六も、川竹をやってくると、どうしても赤坂のほうでタップリと噺がやれなくなるところから、人力車の道を変更させてまで、休んで一直線にやって来るのだった。弱きに従くこそ、生一本混ぜ物なしの江戸っ子じゃないか。
が――こうした思いやりある師匠の心づかいは、到底、若い今松にはわからなかった。
身勝手に理解をつけては、一人で助六のうえを腹立てていた。
それにはこの日頃自分に対する仕打ちのことも入り乱れて考えられて、無闇に、むかっ腹が立ってくるのだった。