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Japanische Klassiker mit Furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme

Aozora Bunko

三

なにもかもこれまでの縁だったんだ。

その夜更け、今松は、ドロンをした

三

もうそろそろ寒い風の吹きつけてくる海岸づたいに、小田原さして今松は、夜道をかけた。

真夜中に早川口へたどりついて、橋の袂の宿屋を叩き起こし、泊めてもらった。

あくる日もまた歩いた。

汽車へ乗ったところで東京へは帰れない身体だったし、第一、汽車の中からではどこにどんな仲間の芸人がかかっているかわからない。

どこか仲間のかかっている寄席へ駆け込んで、なんとか使ってもらうより手がなかった。

どこまでもどこまでも続く松並木には、赤とんぼがいっぱい乱れていた。

太い松の幹と幹との向こうに畑があり、そこに鶏頭が燃えていたり、大きな柿の木があって、黄色い柿の実が熟れていたりした。空高く百舌が鳴いていた。

もうほどなく大磯の宿だろう。

心なき身にも哀れはしられけり、鴫立沢の秋の夕暮れという大磯の歌を、よく助六師匠が西行法師をやるときにそう言っていたが、ほんとに今度のようなことにあって、こんな一人旅を続けているとつくづく秋の寂しさが身にしみわたる。

いや、こんな夜逃げなんかの旅だったら、いくら春だって、夏だって、またお正月だって一列いったいに寂しいんだろう。