Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とさのくにばしら

土佐の国柱

山本 周五郎

Lesen Sie 土佐の国柱 (とさのくにばしら) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.375 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

七

「訳があるんです。やがて仔細を申上げる時が参りますから、……どうか小百合どののことは母上にお願いします」

そう云って小弥太は、自分の居間の方へ立去った。

その夜のことであった。

小弥太が居間で、なにか細々と書いてある巻紙へ、朱筆で書き入れをしていると、……金右衛門が足早に入って来て、

「申上げます。……参った様子です」

と血の気をなくした顔で云った。……小弥太は筆を措いて、

「そうか、人数は」

と訊きながら立って、刀架から大剣を取った。

「四人と見ましたが」

「よし、出るなよ」

そう云ってくるりと裾を端折った。

七

高閑斧兵衛の屋敷の西側は、矢竹蔵の土塀と相対している。……その細い小路の暗がりへ四人の武士が入って来た。

渡辺勝之助、林甚三郎、庄野九郎兵衛、それと殿に貫島十郎左がいた。みんな腹巻を着け、足拵え充分に身仕度をしている。……しかし彼等が高閑邸の築地へ逼ろうとしたとき、向うから大股に小弥太が近寄って来て、

「お待ちなさい」

と声をかけた。

四人はぎょっとして振返ったが、先ず勝之助があっと云って刀の柄に手を掛けた。

「……池藤だ!」

「小弥太!」

四人とも咄嗟に左右へひらく。