Japanische Klassiker mit Furigana
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とさのくにばしら
土佐の国柱
山本 周五郎
Lesen Sie 土佐の国柱 (とさのくにばしら) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.375 Zeichen · 35 Bildschirme
十
「よし其方に任す。鷲尾山へは余も行くぞ」
「お家にとって一期の大事、十六日早朝までは、誰人にも御隠密に!」
「覚えて置く。其方もぬかるな」
忠義の眼は、炬火のように光っていた。
十
だだだあん、だあーん!
銃声が山々にこだました。鬨の声が遠雷のように谷間を塞いだ。鷲尾山の西側から突込んで来た一隊と、宇津野の峰越しに雪崩込んだ一隊とが、銃隊を先頭にして、猛然と蛭谷へ奇襲を仕掛けたのである。
時は慶長十二年三月十六日。
蛭谷の一角に造った砦には、高閑斧兵衛を筆頭に、幸田久左衛門、住江宮内、早坂仁兵衛、一木、田郷、的場、山奈、奥内などという土佐の豪族と、槇島玄蕃頭、木村壱岐守等、十余名の者が集っていた。
忽如として起った襲撃に、――すわ、ことやぶれぬ。
と蹶起した人々は、僅に二百人足らずの手兵をもって防戦に当ったが、完全に不意を衝いた城兵の勢は凄まじく、先ず銃隊の一斉射撃に遭って叛軍が崩れたつと、続いて突込んで来た忠義旗下の精兵は、錐を揉み込むように本陣の砦へと驀地に肉薄した。池藤小弥太は、先頭にいた。
彼は穂先二尺に近い大槍を手に、四辺に群がる敵兵を殆ど無視したまま、遮二無二本陣へと突進した。