Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とさのくにばしら

土佐の国柱

山本 周五郎

Lesen Sie 土佐の国柱 (とさのくにばしら) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.375 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「御一同の意見は伺いました」

小弥太は空の向うを見やりながら、

「それで失礼しようと思うのです。各々がお家のためを想って、高閑どのを除こうとなさる気持はよく分りますが、……拙者は同意できません」

「同意できない、……!」

「なぜだ」

勝之助が、ぎらりと眼を光らせた。

「なぜ同意ができない。その理由を聞こう」

「理由というほどのことはありません。……まあ強いて申せば、拙者は近いうちに高閑どのの娘を妻に貰おうと思っているのです」

「なに、斧兵衛の娘を!」

「舅になるべき人を斬る。……これは同意できないのが人情でしょう。では……失礼」

小弥太は、蹌踉と去って行った。

五

「池藤、あの噂は本当か」

「噂とは……」

「高閑の娘を娶るという話よ」

貫島十郎左はむずと坐りながら云った。

「なに、貰おうと思うと云ったまでだよ」

「なぜそんな馬鹿なことを。……貴公、高閑と一緒に斬られてしまうぞ」

「そんな事はないさ」

「無くはない、全体が貴公のこの頃は少し不審なことばかり多過ぎるぞ。まるで、人が違ったようではないか。……今まで親しく付合っていた我々とは疎遠になるし、余り呑まなかった酒を馬鹿に呑みはじめるし、先日みたいに、急に舞いだしたり、……尤もあのときは己が強いたかたちもあるが」