Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
」
「どうしてそんなことを言うんでしょう。」
「だからさ。今からそれをお前に断わって置く。お前の兄さんもおもしろいことを言ったよ。庄屋としては民意を代表するし、本陣問屋としては諸街道の交通事業に参加すると想って見たまえ、とさ。しかし、おれも庄屋の子だ。平田先生の門人の一人だ。まあ、おれはおれで、やれるところまでやって見る。」
「半蔵さま、福島からお差紙(呼び出し状)よなし。ここはどうしても、お前さまに出ていただかんけりゃならん。」
村方のものがそんなことを言って、半蔵のところへやって来た。
村民同志の草山の争いだ。いたるところに森林を見る山間の地勢で、草刈る場所も少ない土地を争うところから起こって来る境界のごたごただ。草山口論ということを約めて、「山論」という言葉で通って来たほど、これまでとてもその紛擾は木曾山に絶えなかった。
銭相場引き上げ、小判買い、横浜交易なぞの声につれて、一方には財界変動の機会に乗じ全盛を謳わるる成金もあると同時に、細民の苦しむこともおびただしい。米も高い。両に四斗五升もした。大豆一駄二両三分、酒一升二百三十二文、豆腐一丁四十二文もした。