Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
中津川、三留野の両宿にたくさんな死傷者もできた。街道には、途中で行き倒れになった人足の死体も多く発見された。
御通行後の二日目は、和宮様の御一行も福島、藪原を過ぎ、鳥居峠を越え、奈良井宿お小休み、贄川宿御昼食の日取りである。半蔵と伊之助の二人は連れだって、その日三留野お継ぎ所の方から馬籠へ引き取って来た。伊之助は伊那助郷の担当役、半蔵も父の名代として、いろいろとあと始末をして来た。ちょうど吉左衛門は上の伏見屋に老友金兵衛を訪ねに行っていて、二人茶漬けを食いながら、話し込んでいるところだった。そこへ半蔵と伊之助とが帰って来た。
その時だ。伊之助は声を潜めながら、木曾の下四宿から京都方の役人への祝儀として、先方の求めにより二百二十両の金を差し出したことを語った。祝儀金とは名ばかり、これはいかにも無念千万のことであると言って、お継ぎ所に来ていた福島方の役人衆までが口唇をかんだことを語った。伊那助郷の交渉をはじめ、越後、越中の人足の世話から、御一行を迎えるまでの各宿の人々の心労と尽力とを見る目があったら、いかに強欲な京都方の役人でもこんな暗い手は出せなかったはずであると語った。