Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
発病後は父も日ごろ好きな酒をぱったりやめ、煙草もへらし、わずかに俳諧や将棋の本なぞをあけて朝夕の心やりとしている。何かこの父を慰めるものはないか、と半蔵は思っているところへ、ちょうど人足四人持ちで、大きな籠を本陣の門内へかつぎ入れた宰領があった。
宰領は半蔵の前に立って言った。
「旦那、これは今度、公儀から越前様へ御拝領になった綿羊というものです。めずらしい獣です。わたしたちはこれを送り届けにまいる途中ですが、しばらくお宅の庭で休ませていただきたい。」
江戸の方からそこへかつがれて来たのは、三疋の綿羊だ。こんな木曾山の中へは初めて来たものだ。早速半蔵はお民を呼んで、表玄関の広い板の間に座蒲団を敷かせ、そこに父の席をつくった。
「みんな、おいで。」
とおまんも孫たちを呼んだ。
「越前様の御拝領かい。」と言いながら、吉左衛門は奥の方から来てそこへ静かにすわった。「越前様といえば、五月の十一日にこの街道をお通りになったじゃないか。おれは寝ていてお目にもかからなかったが、今度政事総裁職になったのもあのお大名だね。」
ちょっとしたことにも吉左衛門はそれをこの街道に結びつけて、諸大名の動きを読もうとする。