Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
がんりきはそれと聞いて、いよいよ煙そうな面。
その次には、おそろしく衣裳を飾ってお化粧をした町家の年増。
「おやおや、あれは浜松の酒屋のお妾さんだが、どうして信心ごころが起ったろう、大へんにめかし込んで来たが」
その女が上人の前へ出ると上人が、
「ああ、お前の身には不浄がある。それを洗って来なければお札は上げられない」
女は真赤になって俯向いてしまいましたが、やがて何か気がついたらしく、
「ああ、どうも済みませんでございました」
気軽に上人の前を辞して、暫くたって庫裡の方へ引返しながら、
「ほんとうにどうも、上人様の前へはうっかり出ることはできません。わたし今日、何の気なしにいつもの通り白粉を塗る時、鶏卵の白味を使ったものですから、それで上人様が不浄があるとおっしゃいました。それ故、お湯に入ってこの通り素面になって参りました」
どこで湯に入って来たか白粉をすっかり洗い落して、再び上人様の前へ出ると、上人はなんとも言わずに札を授けてやりました。
それから何人もずんずんと進行していきましたが、あとからあとからと詰めかける人で、いくら静かにしても自然、押合いの気味になります。