Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いきにんぎょう

天狗笑い

豊島 与志雄

Lesen Sie 天狗笑い (いきにんぎょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.400 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

誰かが自分を呼ぶようなので、王子はふと眼を開きました。見ると、すぐ前に一人の老人が立っていました。真黒な帽子をかぶり、真黒な服をつけ、真黒な靴をはき、手に曲りくねった杖を持っていました。顔には真白な髯が生えて、その間から大きな眼が光っていました。

王子が眼を覚したのを見て、老人はハハハと声高く笑いました。王子は恐れもしないで尋ねました。

「お前は誰だ?」

老人はまた笑っていいました。

「誰でもいい。お前をためしにきた者だ。……わしがお前を高いところへつれて行ってやろう。わしと一緒にくるがいい」

「本当に高い所へつれていってくれるのか、僕が望むだけ高いところへ?」

「うむ、どんな高いところへでも連れていってやる。そのかわり、また下へおりようといっても、それはわしは知らない。それでよかったらわしと一緒にくるがいい」

「行こう」

そういって王子は立ちあがりました。

「しかし、下へおりたくなったからといっても、もうわしは助けてやらないよ」と老人はいいました。

「高いところへあがれさえすれば、下へなんかはおりなくてもよい」と王子は答えました。

「それでは行こう」

老人は王子の手を取って、杖を一振り振ったかと思うと、二人はもう高い壁の上にあがっていました。