Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かのうせいのぶんがく
夫婦善哉
織田 作之助
Lesen Sie 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.834 Zeichen · 94 Bildschirme
お前は随分苦り切って、そんな羽目になった原因のおれの記事をぶつぶつ恨みおかしいくらいだったから、思わずにやにやしていると、お前は、
「あんたという人は、えげつない人ですなあ」
と、呆れていた。
「――まあ、そう言うな。潰してしまっても、もともとたいした新聞じゃなかったんだから……」
と、笑っていると、お前は暫らくおれの顔を見つめていたが、何思ったか、いきなり、
「――冗談言うと、撲りますぞ」
と、言って出て行き、それきりおれのところへ顔出しもしなかったが、それから大分経って、損害賠償だといって、五十円請求して来た。
その手紙を見るなり、おれは、こともあろうに損害賠償とはなんだ、折角これまで尽して来てやったのに……と、直ぐ呶鳴り込んでやろうと思ったが、莫迦莫迦しいから、よした。実際、腹が立つというより、おかしかったのだ。五十円とはどこから割り出した勘定だろうと一寸考えて、なるほど、罰金の額から、印刷費の残りを引いたのが五十円だなとわかると、おれは正直な話、噴きだしたくらいだ。阿呆らしくて、怒りも出来なかったのだ。それに、おれの方にも、案外呶鳴り込みに行けない弱味があった。