Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.902 Zeichen · 22 Bildschirme
六
続いて采女、最後に甚三郎、三人それぞれ引いた赤い紐の先には、左京の紐には小浪、采女の紐には梅野、甚三郎の紐には多与里の名札がついているのでした。
どっと歓声が挙りました。
「やんや、やんや」
石川日向守は扇を開いて囃しております。
六
御内室もその横からニッコリしました。まさに此遊戯は満点的な成功です。それから間もなく、綿帽子を被った三人の花嫁は、老女達に手を引かれて、それぞれの運命の良人のところに案内されました。
名川采女、伊東甚三郎のところにはどんなことがあったかわかりませんが、六郷左京のところに案内されて来た花嫁――腰元の小浪は、不思議なことに親の石川玄蕃もその妻の某も姿を見せず、老女が花嫁を奥の一と間に納めると、親類縁者を誘うように、コソコソと帰ってしまいました。
三々九度の盃は殿の御前で済ませたのですが、せめて床盃の世話でもしてくれなければ――といった物足りない心持で、六郷左京は新婦の待っている閨へ入って行きました。
花嫁の小浪は、床の前にキチンと坐ったまま、少し固くなっております。
「小浪殿、――不思議な縁であったな」
「――――」
寄りそうように坐りましたが、花嫁は黙りこくってまだ物も言いません、多分恥しさに消え入り度い心持でしょう。