Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.902 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

五

五

「恐れ乍ら、殿――」

「なんだ、承知をする気か」

「殿には、曲亭滝沢馬琴の八犬伝を御愛読のようで」

六郷左京は妙なことを言い出しました。

「ウム、それがどうした」

馬琴の八犬伝はその頃天下の人気を湧き立たせていたことはいう迄もありません。

「あの末段に、里美侯の八人の姫君を、八人の犬士にめ合せるところが御座います」

「ウーム」

「その手段として、簾を距てて縁結びをし、配合せは月下氷人に任せるという条りが御座いますが」

「いかにも、実際はあり相もない話だが、狂言続語としては面白いな」

「それを学んで、縁結びで御決めになっては如何で御座いましょう。なお御屋敷名物の三人腰元を、私共三人の家臣に賜わるのは、此の上もない有難いことでは御座いますが、その取り合せに、依怙があってはなりません。これは矢張り運を天に任せ、縁結びで配偶をきめるのが、一番公平かと存じますが」

「成程それは面白いな」

浮世絵の殿様石川日向守は、此奇抜な縁結びに、とうとう乗り出してしまったのです。

政略や野心や、家柄のためにさえ――いや、殆んど家柄や利害や、政略のためにだけ婚姻が行われた時代のことです。