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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.713 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

寿美子はその後札幌のさる会社にやとわれて、社長秘書を勤めているという話はありましたが、姉の由紀子とはそれっ切り元のうとうとしい関係に還り、手紙の往復も滅多にはない有様で、由紀子の夫の小杉卓二も、妹の寿美子と逢うのが、今度は全くの初めてだったのです。

――妹は、私と気性が違いますから――と由紀子はよくいって居りました。芸術家肌の、何方かといえば陰気で内面的な由紀子に比べて、事務家肌の寿美子は、やり手で、明るくて、派手で、陽気で、生まれ乍ら二人は性が合わないように出来ていたのです。

「何? 寿美子さんが来たというのか、それは珍らしい――何処だ、玄関? そんな他人行儀なことをしてはいけない、先ず中へ通すのだ」

そんな事を言いながら、婆やの先に立って二階から降りて来た卓二は、明るい玄関の外へ顔を出して、そこに立っている女を一と眼、さすがにハッとした様子です。

「お兄様」

あまりに死んだ由紀子とよく似て居ります。

「寿美子さんか」

そういうのが精一杯です。

「北海道から出した手紙を御覧下すったでしょうね」

「うん、見た、一昨日着いた」

二日前に予告の手紙が来ていたのですが、死んだ女房の妹に、あまり興味を持たなかった卓二は、それをさえすっかり忘れていたのです。