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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.713 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

が、その無遠慮な態度はまた一種の魅力で、由紀子の歯痒いたしなみや、夢子の芝居がかりな媚態には無い、言うに言われぬ魅力となって、一日一日と、小杉卓二の心を包んで行ったのです。

その癖寿美子は、小杉卓二が一歩近づいて行くと、悪戯小僧に追われた蜻蛉のように、手の届きそうになった時、スイと逃げて行くのです。

寿美子は音楽に対して全く無関心で、わけても小杉卓二の作曲した、流行歌に対しては、ひどい嫌悪の様子を見せて居りますが、文芸、美術、その他についてはかなり高い趣味を持ち、卓二のような俗人などは、生れ返って来なければ、及びもつかぬものを持っている様子でした。

寿美子の美しさと、その傍若無人さは日毎に加わって、それを毎日見せつけられている卓二は、次第次第に狂気じみて来ました。かつて若い女に背を向けられたことの無いのを自慢にしていた、美男の流行作曲家が、北海道から出て来た、唯のタイピストに軽く扱われて、次第次第に熱をあげて行ったのは何んとしたことでしょう。

其処に現われたのは、小杉卓二の旧友でピアノを引くHという青年でした。Hは亡くなった由紀子とも親しく、音楽学校にいるころは、卓二と首席を争った秀才でしたが、卓二が流行作曲家としてメキメキと浮世的に成功して行ったのに対して、Hは融通のきかないピアニストであった上、一向