Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.713 Zeichen · 28 Bildschirme
六
一卵性の双生児は、顔形ちばかりでなく、指紋までも同じものだろうか――卓二は恐ろしい疑問に悩まされました。
その指紋は実に、夢子を殺したぺーパーナイフの柄にまで付いていたことを思うと、寿美子の魅力に引ずりまわされながらも、小杉卓二は時々わけのわからぬ身ぶるいを感ずるのです。
(註)双生児には一卵性と二卵性とあり、一卵性双生児の場合は肉体的にも精神的にも酷似しているといわれている。
六
この三角関係は、次第に六つかしくなりました。寿美子の態度が次第に冷淡になって、Hとの交渉がこまやかになればなるほど、小杉卓二の熱心は煽られ、この男がかつて経験したことのない――いや想像もしなかった、気違いじみた感情にまで追い込まれてしまったのです。
小杉卓二は恋愛遊戯にかけては、申分なく老巧な選手で、道徳的には此上もなく評判の悪い男でしたが、彼がその性格において、田舎源氏の光氏であり、一代男の世之介であればあるほど、異性に対する自分の引力に自尊心が強烈なだけに――背を向けた女に対してその執着が強かったのです。
到頭この情勢が、恐ろしい破局にまで押し上げられる日が来ました。