Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.713 Zeichen · 28 Bildschirme
二
のように密閉された寝室で、美しい女が一人鋭利なぺーパーナイフで心臓を刺されて死んでいるという怪奇な謎は、容易のことでは解けそうもなかったのです。
二
「寝室の戸は確かに閉まっていたのですね」
係の警部は尋ねました。
「間違いありません。寝室の戸はいつでも内から厳重に閉めて寝る習慣になって居ります、――それに今朝私はこの鍵で開けて入ったのですから」
小杉卓二はズボンのかくしから、ニッケルめっきの――小さいが丈夫そうな鍵を出して見せました。
「鍵は幾つあります」
「二つだけです。あとの一つは、夢子が持って居るはずです。多分寝台の側のスタンドのところに置いてあるでしょう」
卓二のいう通り、ニッケルめっきの特色のある形をした鍵がもう一つ、サラセン模様のかさを被せた、青磁のしゃれた電気スタンドの側に置いてありました。
「窓には手を付けなかったでしょうな」
「手は付けません、電話をかけるひまにも、婆やに番をさして居た程で、部屋の中のものは何一つ動かしません。もっともあまり暗かったので、婆やにいい付けてカーテンだけは一部開けさせましたが」
「それは宜い塩梅でした、――窓は皆んな締っている、外から開けた形跡は無い――」