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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.531 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

一

桃川燕之助の話は、漸く本筋に入った様子です。

一

人間が自分の夢を支配したら、どんな事になるでしょう。曾てこの奇談クラブの席上で、任意の歓楽の夢を見られるという、奇瑞の枕のお話がありましたが、あれは特定の材料を用いることによって、甘美な夢を見るというお話で、結局は薬物による麻痺と解して宜しく、厳密に申せば、我々の所謂第四次元の世界との交渉ではなくて、単なる薬物による妄想と云うべきものであります。

此処にお話をする、京極三太郎の夢は、そんな呑気なものではありません。少くとも彼は一年間に亙って、毎晩毎晩連続して、――丁度日中の我々の現実生活が、昨日から今日へ、今日から明日へと続くように、昨夜から今夜へ、今夜から明夜へと、何の不都合も不自然さも無しに、明瞭に、確実に続いて行ったのであります。

京極三太郎はあまりの不思議さに、それを克明に書き記して置いたばかりでなく、書き足りないところは本人の口から私に説明して、一年間の昼の生活の日記と、それと並行して経験した、夜の生活の日記を、私のために、――いや、人間の学問のために、人類の好奇心のために遺して置いてくれました。