Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.531 Zeichen · 23 Bildschirme
毎晩同じ夢を見るということは、決して無いことではありませんが、毎晩筋の発展し成長する夢――即ち連続した夢の中で活溌に生活して行くということは、非常に珍しいことで、これは京極三太郎の生理的或は心理的特色であったかも知れません。既にジャック・ロンドンの「ビフォア・アダム」という原人生活を描いた小説には、現代人が毎夜毎夜連続的に祖先の生活を夢に再現するというのがあります。或は――これは私の想像ですが、我々はすべて夢の中で第四次元の世界を経験し、毎夜連続した生活を生活してい乍ら、一たび眼が覚めると、悉くそれを忘れて仕舞うのではあるまいかという説も成立ちます。
昼の現実の生活のあとを、夢の中の我々は決して系統的に記憶していないように、夢の中の生活を、昼の生活者なる我々は、大方忘れて居るということは考えられます。我々が夢を記憶しているのは、ほんの覚め際の数分間に過ぎないのです。その前の何分間の夢は永久に忘られ去るということは、何という情けないことでしょう。人間の生活のうちで凡そこれほどの損失はあるまいと思います。
例の盧生の邯鄲の夢――黄梁の饌の出来る間に五十年の栄華を夢みたという話なども、決して単なる偶話ではなく、私の所謂第四次元の世界を覗き、第三次元の世界の時間的制約を超越した経験ではなかったでしょうか。