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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.531 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

二

さて前説が少し長くなり過ぎました。私はこれから京極三太郎の天国の恋――換言すれば第四次元の世界で経験した、最も濃艶無比な恋物語をお伝えして、聡明なる皆さまの御批判を頂こうと思うのであります。

話手桃川燕之助の饒舌は、限りもなく続きそうです。

二

文士京極三太郎はいよいよその日の生活に追われて、新聞「東京ポスト」に入社しました。大新聞の社員採用と違って、東京ポストはまだ創刊早々でもあり、大した学歴も紹介も無い京極三太郎でも、時々書いたものが活字になって居たというだけで、入社試験も何にも無しに、全く無条件で採用され、その日から社会部の外交に廻されたのです。

社会部の外交記者というものは、一応派手な職業らしく思われて居りますが、実際は決して華々しいものではなく、最初は小火や首縊りを嗅ぎ廻ったり、すりやかっ払いを追い廻したり、それが次第に手に入って来ると初めて大きな犯罪事件や、文化芸術の記事や、名士の訪問や、政治経済の方面や、記者それぞれの得意の舞台に廻され、やがては何社の何の某といわれるようになるのであります。

半歳ばかりの間、散々塩を嘗めさせられた上で、京極三太郎は漸く文化的な記事の扱いと、名士の家庭訪問に廻されることになりました。