Japanische Klassiker mit Furigana
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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
Lesen Sie 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.508 Zeichen · 236 Bildschirme
と聞くと、
「もっぱらこの方で……」
盃形に丸めた指を口に持って行って、
「クイクイとね」
金は? 言えないでいると、
「鮎ちゃんって、いいとこあるなア。鮎ちゃんに貢いでもらっているんですよ」
――私はドサ貫から聞いた話を結局ゴロちゃんに言わないで別れた。ゴロちゃんはクイクイと盃を傾けるまねをすると、それでとみにその欲望に煽られたらしく、それを舌なめずりに現わして「パイ一、どうです」と言い、私が「仕事があるから」と断わると、あっさり「じゃまた、――元気で」と私が言わねばならぬようなことを逆に言って、例の心もとない足をからませるようにして、それは前からの歩き癖ではあるのだが、一層ひどくした蹌踉たる足どりで、折からの銀座の出盛りのなかに紛れ込んでしまった。で、言えなかったのだが、――ゴロちゃんのあまりの異様さに私はたまげて、呑まれたような想いで、それで言えなかったところもあるのだ。私は、別れたあとでも、精神的眩暈からしばらくは立ち直ることができなかった。
「ゴロちゃんはどうかしている」
そう言う私まで、頭がオカしくなったような気持だった。ところで、その混迷を一筋あざやかに貫いているものがあった。