Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

若しこの男が香具師であったら、彼の人寄せの手段は、実に見事に成功したと云わねばならぬ。又若し彼が、R洋服店に雇われた一種の宣伝係であったとすれば、通行者の注意を、かくもショウ・ウインドウに集め得たことによって、これ亦非常の成功であったと云わねばならぬ。だが、この男は、香具師でも宣伝係でもなかったのだ。

「ちょっとお尋ねしますが、さっきから何を見つめていらっしゃるのですか。何か面白いものがあるんですか」

一人の洋服紳士が、たまり兼ねたのか、慇懃に言葉をかけた。

「アア、何をとおっしゃるのですか」

インバネスの怪人物は、びっくりした様に振返って、紳士の顔を見、それから彼の背後の夥しい群集を眺めた。

「僕は一種の銀座人種でしてね。銀座の事には可成詳しいつもりですが、今このショウ・ウインドウの前を通りかかって、ふと気がつくと、いつもの蝋人形がいなくなっているのです。見知越しの蝋人形がですよ。美しい奴でした。まだ若い娘でね」

インバネスが妙なことを云い始めた。彼の声は異様に甲高くて、隣に立っている紳士に話しかけているのが、群集のうしろの方まで聞きとれた。

「この洋服店のものが飾り替えたのではありませんか、そこに立っている女人形と」