Japanische Klassiker mit Furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
アア、どうすればいいんだ。で、警察へは届けましたか」
「エエ、あちらの御主人がお電話をかけていらしったようでした。あたし、それから直きお暇したものですから、……ねえ、守さん、あの悪魔は、あたしに魅入っているとしか思えませんわ。あたしの行く先々へつき纒って、そこのお嬢さんを恐ろしい目に合わせるのだとしか思えませんわ」
「では、あなたは、品子さんが、あいつの為に殺されると思うのですね」
「エエ、恐ろしいことだけれど、そうとしか……」
そして、二人はうそ寒い曇り日の、窓の光の中で、黙ったまま、異様に目と目を見合わせた。お互の瞳の中に、何かゾッとする魔性のものが潜んででもいるように、恐怖にわななきながら、
「三笠さんは御容体どうなんでしょう」
やっとしてから、殿村さんが、ふと気を変えて、別の事を訊ねた。
「まだ急に退院出来相もないということです。実は今日あたり、一度訪ねて見ようと思っていたところですよ。何でしたら、あなたも一緒にいらっしゃいませんか」
「エエ、でも、今日は少し差支がありますから、……あなたから、よく今度のことをお話し下さいませんか。あたし、三笠さんには、いずれゆっくりお目にかかって、よく御礼申し上げたいと思っているのですけれど……」