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Japanische Klassiker mit Furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

ドアを開けるや否や、流石の桜井氏も、「アッ」とのけぞらんばかりに驚かないではいられなかった。

女中が気を失って倒れている。殿村夫人は猿轡をはめられ、手足を縛られて転がっている。ベッドはと見ると、これはまあどうしたことだ。品子さんの姿は煙の様に消えてなくなっていたではないか。

夫人は余りの事にそこの椅子にヨロヨロと腰かけたまま、茫然として物を云う力もない。

「オーイ、誰か来てくれ。早く早く」

桜井氏は廊下に飛び出して大声に怒鳴った。

バタバタと書生共が階段を上って来る。

「今の警官達がまだその辺にいる筈だ。早く呼び戻してくれ。お嬢さんが見えなくなりましたと云って」

書生達が駈け出すあとについて、桜井氏も階段を降り、電話室に飛び込むと、受話器をガチャガチャ云わせて、性急に交換手を呼んだ。

だが、いくら待っても交換手は出て来なかった。どうも変だ。受話器の中は死んだ様に静まり返って、電流が遮断されているとしか思えなかった。時も時、電話に支障が起るとは。

電話を諦めて玄関へ飛び出して行くと、外から帰って来た書生達とぶッつかった。

「どうだ。さっきの人達はまだいたか」