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Japanische Klassiker mit Furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

こんな物をこのままにして置いちゃ、碌なことは起りゃしない。犯罪には持って来いの場所だからね」

司法主任と刑事とが、不気味さをまぎらす様に、そんな会話を取交していた。

暫くすると、庭の奥の方から、黒い人影が矢の様に走って来た。ギョッとして一同が立ちすくんでいると、黒影が息をはずませて報告した。

「死体らしいものが見つかりました」

それは化物でも、犯罪者でもなく、警官の一人であった。

「見つかった? どこだ?」

「向うの台所の側の井戸の中です。懐中電燈で覗いて見ると、水面に白いものが浮いていたのです。黒い髪の毛がハッキリ見える位ですから、人間の死体に違いありません。ちょっと来て見て下さい」

警官はそれ丈け云うと、急ぎ足に元来た方へ引返して行った。

「アア、井戸があったのか。じゃ、そこへ行って見る事にしよう」

そして、三人の一組が、警官のあとを追って走り出そうとした時、チラチラ揺れる電燈の光が、つい目の先の叢の中に、実に異様なものを映し出した。

「ちょっと待って下さい。アレ、アレをごらんなさい」

相川青年がいち早く気づいて叫んだ。

電燈の斜の光を受けた、陰影の多い雑草の中に、未だ曾て見たことも聞いたこともない様な、えたいの知れぬ生白い植物が、ニョッキリと生えていた。