Japanische Klassiker mit Furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
だが、神様はそれ程寛大ではなかった。かかる汚辱をそのままお見逃しにはならなかった。
丁度その時、運転台から、叱りつける様な慌しい咳払いの声が聞えた。仲間内には意味の通ずる警告の合図だ。
悪魔はギョッとして顔を上げた。すると、その醜く歪んだ顔を、ガラス越しに、まぶしい後光が照らしつけた。イヤ、この場合、光を恐れる悪魔に取っては、神様の後光とも見える、立並ぶ街燈の電光であった。車はいつしか、又もや明るい市街にさしかかっていたのだ。夜更けとは云えチラホラ人通りがないではない。気がつくと、向うには交番の赤い電燈さえ見えている。
偽探偵の悪魔は、珠子の唇を盗むどころか、今は、その唇を蓋することを考えなければならなかった。こんな町中で、彼女に叫び出されでもしては一大事だ。
だが流石に兇賊、慌てふためきながらも、手早くポケットから毛の手袋を取り出し、それを丸めて珠子の口へグイグイと押込み、上から大型ハンカチでしばりつけて、早速の猿轡をはめてしまった。
「チッ、なんてえドジな奴らだ。もうちっとばかし暗い町を走ってくれたって、よさそうなもんじゃねえか」
偽探偵がいまいまし相に舌打ちすると、運転手の男は、振向きもしないで、ぶっきら棒に答えた。