Japanische Klassiker mit Furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
人形みたいに、ピョコピョコと踊り狂うって云いますぜ。苦しまぎれにですよ。バラバラになってしまっても、まだ苦しさだけは残っているんですね。エ、お嬢さん、恐ろしいじゃありませんか」
なんという残酷な悪魔であろう。暗闇の中で、ボソボソと、一体いつまでいやがらせを云い続けるのだ。うら若い少女の神経が、この上の責苦に耐え得るであろうか。
「ワハハハ……」
突如として、珠子をギョクンと飛び上らせるような笑い声が、闇に谺して爆発した。
「面白くもねえ。子供だましのお芝居は、いい加減によすがいいや。お嬢さん、何もそんなに怖がることあねえ。みんな生き人形の拵えもんだよ。八幡の藪知らずといってね、こりゃお化の見世物なんだよ」
運転助手を勤めた小男が、さもおかしそうに種明しをしてしまった。
アア、そうだったのか。これは見世物小屋の中だったのか。竹藪の迷路を作って、その所々へ不気味な生人形を据え、お客さんを怖がらせて渡世をする、あの古めかしい興行物だったのか。
現代娘の珠子は、話には聞かぬでもなかったけれど、こんな一世紀も昔の見世物を一度も見た事がなかった。それが都会の場末や田舎には、今も余命を保っていようなどとは思いも及ばなかった。