Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりにだいき
嫁取り二代記
山本 周五郎
Lesen Sie 嫁取り二代記 (よめとりにだいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.763 Zeichen · 23 Bildschirme
――こちらへ引取って頂きました日、お庭で貴方さまにお眼にかかりますると、……どうしてか知らず、不意に貴方さまが父親のように思われ、今日まで良く清浄に身を守ってきたな――褒めてやるぞ……と云われるような気がいたしまして、思わず嬉し涙に咽んだのでござります」
「…………」
「御迷惑とは存じながら、盆栽のお手入れのお邪魔をいたしましたのも粗茶にお出でを願って手作りのお笑草を差上げましたのも、不躾ながら――ひそかに父と存じあげていたしましたこと、できることならお膝に縋って、たった一度でも父上さまと……甘えてみとうござりました。それがつい嗜を忘れさせ、いまのお戯れをそうと知る暇もなく、真の父に手を執られたように覚えて、前後も忘れた嬉しさ、思わず、思わず……」
それまで云うとお笛は、ついに堪らずそこへふっと泣伏してしまった。――勘兵衛はいつか坐り直していたが、くすんと鼻を鳴らすと、急いで妙な空咳をしながら、
「泣くな、泣くやつがあるか」
と執成すように云った、「酒興の冗談を本気にされては困る、もういいから泣くのは止めにせい――そして、面倒でなかったら又あの漬物を出してくれ、肴の口を直してもう一盞馳走になろう、すっかり醒めたぞ」