Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
よめとりにだいき
嫁取り二代記
山本 周五郎
Lesen Sie 嫁取り二代記 (よめとりにだいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.763 Zeichen · 23 Bildschirme
七
「どうだ!」
と面に強くは云ったが、勘兵衛の心はいじらしさで燃えるようだった。
「申上げまする」
お笛は静かに答えた、「これはどのような事があっても他言はすまいと、かねてから誓っていたことでござりまするけれど、女が一生に一度の大事、恥を忍んで申上げまする」
伝吉は何を云うかと息を呑んだ。
七
「わたくしが不義をせぬ証拠は、直次郎さまとお馴れ申して半年近く夫婦の約束までしながら未だ一度も閨を共にした事がございませぬ――それは」
と言葉を切った。勘兵衛も伝吉も聞き遁さじと耳を傾けている。
「それは、わたくしの右の胸の、ちょうど乳房の下のところに腫物がござります、子供の頃から医者も薬も届く限りは手を尽しましたが、どのようにしても治らず、肌着が荒く触れても刺すように痛みまするし、自分にも耐えられぬようなひどい臭みを放ちまする、――そのため今日まで直次郎さまともひとつ閨に臥したことはござりませんでした、ましてこのような人と……」
「へっへへへへ何かと思ったら」
伝吉はせせら笑って、
「何かと思ったら腫物の事かい、そんな事なら改めて聞くまでもねえ、生命までもと惚れ合った仲で、腫物の臭みぐれえが何だ。