Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

僕の父はもう随分の年だから腰も曲っているかも知れない。そうでなくても、ひどい傴僂だから、歩いていると、君が云った様に、八十位の老人に見えるかも知れない。その老人がアレだとすると、僕の父は初代さんの家の前をうろうろした時分から、ずっと東京にいたと考えることも出来るじゃないか」

諸戸は、救を求めでもする様に、目をキョトキョトさせて、ふと押し黙ってしまった。私も、云うべきことが非常に沢山ある様でいて、つい口を切る言葉が見出せず、ムッツリと黙り込んでいた。長い沈黙が続いた。

「僕は決心をした」やっとしてから、諸戸が低い声で云った。

「昨夜一晩考えて極めたのだ。僕は十何年ぶりで、一度国へ帰って見ようと思う。国というのは和歌山県の南端の、Kという船着場から、五里程西へ寄った海岸にある俗称岩屋島という、ろくろく人も住んでいない荒れ果てた小島で、これが嘗つては初代さんが住み、現にあの怪しい双生児の監禁されている孤島なのだ。(伝説によれば、そこは昔、八幡船の海賊共の根拠地であった相だ。僕が、暗号文が財宝の隠し場所を示すものではないかと疑ったのも、そういう伝説があるからだよ)そこは父母の家ではあるけれど、実の所、僕は二度と帰るまいと思っていた。