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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

一同はお仙を取囲いて種々なことを尋ねて見た。お仙は混雑した記憶を辿るという風で、手を振ったり、身体を動ったりして、

「なんでもその男の人が、私の処を聞いたぞなし。私は知らん顔していた。あんまり煩いから、木曾だってそう言ってやった」

「木曾はよかった」と三吉が笑う。

「先方の人も変に思ったでしょうねえ」と豊世は妹の顔を眺めて、「お仙ちゃんは、自分じゃそれほど可畏いとも思っていなかったようですね」

お仙はきれぎれに思出すという顔付で、「ハンケチの包を取られては大変だと思ったから――あの中には姉さんに買って頂いた白粉が入っていたで――私はこうシッカリと持っていた。男の人が、それを袂へ入れろ入れろと言うじゃないかなし。私が入れた。そうすると、この袂を捕えて、どうしても放さなかった……」

「アア、白粉を取られるとばかり思ったナ」と正太が言った。

「ええ」とお仙は微笑を浮べて、「それから方々暗い処を歩いて、終に木のある明るい処へ出た。草臥たろうから休めッて、男の人が言うから、私も腰を掛けて休んだ……」

「して見ると、やっぱり公園の内へ入ったんだ。あれほど僕等が探したがナア」