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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

下婢も台所を片付けて来て、手習の仲間入をさして貰った。ともかくもこの娘は尋常科だけ卒業したと言って、その前に雇った下女のように、仮名の「か」の字を右の点から書き始めたり、「す」の字を結だけ書き足すようなことはしなかった。

しかし、この下婢は性来読書が嫌いと見えて、どんなに他の娘達が優美な文字を書習おうとして骨折っていても、それを羨ましいとも思わなかった。お雪が起きて来て、ヨモヤマの話を始める頃には、下婢も黙って引込んでいない。無智な彼女はまたそれを得意にして、他の娘達よりも喋舌った。

お房を背負って町へ遊びに行った時、ある人がこんなことを言ったと言って、それを下婢が話し出した。

「教師の赤にしては忌々しいほどミットモねえなあ――赤もフクレてるし、子守もフクレてるし、よく似合ってらあ」

お雪も他の娘も笑わずにいられなかった。

「明日はこちらの叔父さんも御帰りに成りやしょう」

と娘の一人が言った。お雪はこの娘達を相手にして、旅にある夫の噂をした。

東京から三吉は種々な話を持って帰って来た。旅に出て帰って来る時ほど、彼も家を思い妻子を思うことはなかった。

「房ちゃん、御土産が有るぜ」