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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ よせばやし

寄席囃子 正岡容寄席随筆集

正岡 容

Lesen Sie 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.259 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

国貞の錦絵がそのまま抜け出してきたかと思われるばかりだったからだった。

心身荒漠としきっていたその頃の私は、のちにはこんな女を恋人として現実曝露の悲哀を見るであろうこと必定であるなどわかろうわけもなく、せめても現在の虚しさを忘れるべくかよい続けているうちにだんだん女の年の明けたのちの相談ぐらいまでするようになってはいたのである。その頃たまたま久しぶりに東京の席を休んで遊びに西下した先々代林家正蔵君は、私に会うが否や今度の旅行ではじめて島原へ行きましてねとニヤニヤ額を光らせながら談った。で、フフンおいでなすったな島原のことなら近頃この俺に聞けと「五人廻し」の通人よろしく顎を撫で廻した私は、して何という花魁がでましたとことさらに訊ねた。エーそれがねえ、S太夫というので……と次の瞬間あっさりこう答えられてしまった時のこの私の驚愕、落胆。ほんとうに落語の「近江八景」のあの職人じゃないが、その時の私は島原にもS太夫が二人あって甲乙に区別されており、私のは甲、今度正蔵君の買ったのは乙だったらよかったにと大真面目にそう考えずにはいられなくなったくらいだった。しかもあくまで冷たる儼たる現実はまさしく現実である。