Japanische Klassiker mit Furigana
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ジェンナーでん
少年倶楽部名作選3 少年詩・童謡ほか
小酒井 不木
Lesen Sie 少年倶楽部名作選3 少年詩・童謡ほか (ジェンナーでん) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.799 Zeichen · 27 Bildschirme
その日ジェンナーは朝早く起きて、神様に祈りました。牧師の家に生まれましたから、小さい時分から祈りにはなれておりましたが、その朝ほど心の奥底から祈ったことはいままでにありませんでした。最初考えたときから約三十年、とちゅうでわが最愛の子に実験して、いよいよ確信を得たというものの、もしまちがえば他人さまの子を犠牲にしなければなりませんから、そのときのジェンナーの祈りこそは純粋なものであったにちがいありません。
高まる心臓の鼓動をおさえつけながら、ジェンナーはついに、搾乳婦から取ってきたうみを、ジェームス少年にうえたのであります。
少年はあくる日からかゆみをおぼえ、二、三日の後その部が化膿しました。そうして日を経るにしたがってかわいてゆきました。これは勿論ジェンナーの予期したとおりでしたが、さてこれからが大問題です。すなわちこの少年に天然痘患者のうみをうえても、もはや天然痘にはかからぬことをたしかめねばなりません。
とかくするうち、少年の腕のできものはすっかりかわきましたが、ジェンナーは、おいそれと第二の実験にはかかり得ませんでした。が、ぐずぐずしていてはならぬので、ついに七月一日に天然痘患者のうみを取ってうえたのであります。