Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまとゆきのにっき

山と雪の日記

板倉 勝宣

Lesen Sie 山と雪の日記 (やまとゆきのにっき) von 板倉 勝宣 (いたくらかつのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.279 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

どうも谷を間違えたらしい。「孝ちゃんどこへ行った」とウ氏が後から滑った。ヴンテンさんは、もっと上手だと主張した。上を見れば、さっきの賽の河原も、闇に僅かにりんかくが見えるばかしだ。ただ時々硫黄の匂いがする。「孝ちゃん、怒ったからもどりましょう」とウ氏がいう。「だれが」と孝ちゃんは闇で聞く。「ヴンテンさん」と意外な答に孝ちゃんは、闇に不平をまぎらして上へ登り出した。山の中の五人の頭の上で、星がやたらと光りだした。寒さはようやく強くなって風が時々音をたてる。自分はリュックサックから用意の毛皮を出して着た。顔も包んだ。手袋をとると烈しい寒さが分る。パンを出し闇の中で頬ばりながら、さあ一晩中歩いてもいいと思った。もどって道らしいところを左へ行くと「孝ちゃん滝あるよ」とウ氏が叫んだ。滝は滝でも、目じるしの滝ではなかった。再び下へ下ることになった。もどりながら「一晩中テレマークしましょう。僕らの立派な身体、こんなことでこわれません」とウ氏がいった。あたりは暗かった。ただ雪あかりで僅かに周囲が見える。沢は黒ずんで見えた。「ヤーホー」という叫び声を闇にもとめて滑ると、初めは小さく見えた小さい塊が急に大きくなってくるとステンメンをして近づく。