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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme

Aozora Bunko

そして奥の方からは後からも後からも異った色の雲が湧き出して、それが一つに溶け合って、深みのある美しい崇高な姿を、冴えた華やかな夕暮の空に静に横たえている。

この眺めは門の前に立っていても二階に座っていても見られた。然し草鞋をはいて遠い林に行き、焚火で煮たお茶で昼飯をすまし、一日遊び暮して家に帰る途すがら眺めるのに比べて、どちらが感興が深く印象が強いかは云うに及ばないことである。

此時頃私の脳底に烙き付けられた秩父山の美しい色彩の印象は、年と共に鮮かさを加えて、其後冬休みに帰省する毎に鎌を腰にさして林の中を一日ほづき歩いては帰りに山を見るのが楽しみの一となった。其当時名も知らなかった山の大部分は既に踏破し、その山々に包まれた渓谷の秘密も少しは窺い得た今日となっても、そのかみ謎の山から受けた強い色彩の印象は少しも衰えないのみか、今尚お昨の如く懐しさに変りはない。

夏になるとこれも上州名物の一つである大夕立が、七日も続いて迅雷豪雨を飛ばすのは珍らしくもない。特に私の地方では俗に「御荷鉾の三束雨」と唱えて、恐ろしく雨足の早い大夕立の起ることが年に四、五回はある。