Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
ように、ごぼごぼと咳きこんで来る。
かかるゆうべに、この美しい梓川の水に、微塵も汚れのない、雪のように肌の浄い乙女がどこからともなく来て、裸体になって、その丈にあまる黒髪をも洗わせながら、浴みをしようではあるまいか、何故といって、秘密の美しさは、アルプスの夕暮の谷にのみ、気を許して覗わせるからである、そんなことを考えているうち、雲が一筋穂高山の中腹に横わった、焼岳はと見ると、黒い雲が煤紫色にかかって、そのうしろから、ぽっかりと遠い世の物語にでもありそうな雲が、パッと赤く映る。
嘉門次が挨拶がてら、釣った岩魚を持って来てくれた、話を聞くと、岩魚は日が出て暖かくならなければ、浅い水へは出て来ない、この魚は殊に、籔の下へ隠れるものだそうで、やはり小谷よりも本谷に多くいる、漁れるのは旧の三月から十月頃までであるが、そのころはもうまずくなるので、喰って味のよいのは、ちょうど今だと愛嬌をいう。
夜に入っては、私は虫が嫌いなので、障子を締め切ってしまうと、あっちでも、こっちでも障子の外で、カサカサカリカリと忍び音がする、嘴や鬚で、プツリと穴を明けて、中を覗き込んで、呪っている