Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
間に、飛散した種子から生えたらしい、落葉松の稚樹が、二、三本よろよろと、足許を覚束なげに立っている、顧れば焼岳の頂は凹字に刳られて、黄色い噴煙が三筋、蒲田谷の方へ吹き靡いている、私の立っているところは、もう向う側の霞沢岳の頂上に、手が達きそうになって、岳の右の肩に、三角測量標のあるのが、分明に見える、眼の下に梓川の水は、藍瓶を傾むけたような大空の下に、錆ついた鉱物でも見るような緑色になって、薄っぺらに延びている、それは流れているとは見えないのである、暫らく休んでいると、冷たい谷風が、下から吹きあげて、森は魂が入ったように、さやさやと靡いて、蒼玄い鬣が這い上って来る、焼岳の左の肩を超えて、乗鞍岳の一角が見え初めた。
三
赤裸で残忍な形相をした石の路を、殆んど登りつめたところから、左へ切れこみ、前穂高岳の三角測量標を仰ぎながら、草原に入ると、傾斜はいよいよ峻急になって、岩菅の花が、火のように赤く、風露草のうす紫や、猪独活の白い花などが、その間に交って、ドス黒い岩壁へ、更紗を布いたように綺麗であるが、角度が急でややともすると、腹這いになる、美しい