Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
殊に白花石楠花は、日本の名ある火山に甚だ多く(もちろん火山以外にも、少ないとはいわぬ)、近いところでは、天城山、八ヶ岳にも繁茂しているし、加賀の白山にも多いところから、白山石楠花とも呼ばれているくらいであるが、高山植物の採集家として聞えた故城数馬氏は、日光の湯ノ湖を取り囲む自然生の石楠花の、いかに多く茂っていたかを、私に物語られ、今では蕩尽されて、僅に残株を存するばかり、昔のおもかげは見る由もないと慨かれたが、小御岳から、大沢をはさんで、大宮口に近い森林まで、純美なる白石楠花の茂っていることは、私を悦ばせる。安政六年版の玉蘭斎貞秀画、富士登山三枚続きの錦絵には、「小御岳、花ばたけ、しゃくなぎ多し」とあるから、昔から多かったものと見える。お花畑の名が、富士にあるのも珍らしい。
黒砂の道は、去年ながらの落葉を埋めこんで、足障りが柔かく、陰森なる喬木林から隠顕する富士は赤ッちゃけた焼土で、釈迦の割石と富士山中の第二高点、見ようによっては、剣ヶ峰より高く見える白山ヶ岳の危岩が仰がれ、そのくぼみには、シャモニイの氷河の古典的なるが如くに、富士の万年雪を、古典的にしたところの残雪が、べっとりと塗りこめられて光っている。