Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
あたしゃだまされていたんだよ。お前さんは、女という女を、片っぱしからだましてまわるのが、稼業なんだねえ。くやしいのを通りこして、あいた口がふさがらないよ。でも、あたしゃ因果とお前さんが好きでねえ、踏まれても蹴られても、くっついてゆこうと思っているんだよ」
お駒ちゃんは、なみだに洗われた顔を見せた。そこには、めずらしく真剣なものがみなぎっていた。お駒ちゃんは、からだのどこかに痛いところでもあるように、歯をくいしばって、肩を前後にゆすぶっていた。磯五が、そばにしゃがんで、お駒ちゃんの肩に手をかけて、しずめようとした。
「お駒ちゃん、じっとして、おれのいうことを聞きな」
例の油っこい声なので、それは、お駒ちゃんのみならず、女のうえには、不思議な力を投げるものとみえる。お駒ちゃんは泣きやんで、小娘のように鼻をかみ出した。夢をみたようにぽかんとして、部屋の隅に眼を凝らしているのだ。
泣いている女は、磯五にとって、いちばんあつかいやすいのである。なみだをふいてやって、やさしいことばを耳へ吹きこみさえすれば、こんどはべつの感情で、彼女の胸をふくらませることができるというのである。