Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
入口に琴曲指南山勢門人何とかの何枝と優しい書風で書いた札が掛けてあった。窃と格子戸の中を覗いて見ると、赤い鼻緒や海老茶の鼻緒のすがった奇麗な駒下駄が三四足行儀よく並んだ中に、一足紫紺の鼻緒の可愛らしいのが片隅に遠慮して小さく脱棄ててある。之を見違えてなるものか、雪江さんのだ。大方駒下駄の主も奥の座敷に取繕ってチンと澄しているに違ないと思うと、そのチンと澄している処が一目なりと見たくなったが、生憎障子が閉切ってあるので、外からは見えない。唯琴の音がするばかりだ。稽古琴だから騒々しいばかりで趣は無いけれど、それでも琴は何処か床しい。雪江さんは近頃大分上手になったけれど、雪江さんではないようだ。大方まだ済ないンだろう、なぞと思いながら、うッかり覗いていたが、ふッと気が附くと、先刻から側で何処かの八ツばかりの男の児が、青洟を啜り啜り、不思議そうに私の面を瞻上げている。子供でも極りが悪くなって、々に其処の門口を離れて帰って来た事も有ったっけが……
夕方は何だか混雑して落着かぬ中にも、一寸好い事が一つある。ランプ掃除は下女の役だが、夕方之に火を点けて座敷々々へ配るのは私の役だ。