Japanische Klassiker mit Furigana
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
Lesen Sie 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.616 Zeichen · 90 Bildschirme
「これは大へん、だれかにようすをききたいが、――あ、お千代さんはいけない、顔を見られるとまずい」
天魔太郎はかけだそうとするお千代をひきとめて、あたりのようすを見ているうちに、反対の路地の奥に小さくなってのぞいている十二、三の小僧のすがたを見つけ、そっと手まねきすると、小僧は三人のところへマリがころげるようにとんできました。泉田筑後の家に使われている、ことし十三の虎吉という無類のいたずらっ子です。
「お嬢さん、たいへんなことになったよ。旦那さまとおかみさんは、むほんのうたがいでしばられて、あしたは首を切られることになったんだ」
「えッ、それはほんとうかえ、虎吉?」
「だれがウソをいうものか。将軍さまのお城へ忍びこんだ、なんとかいう大悪党にお城の絵図面をやったんだってね。おかげで家中の者は、むほん人の一味にされて、みんなしばられていったぜ。うまく逃げたのは、おいらと猫のミイ公だけじゃないか。早くその大悪党のむほん人野郎の、なんとか太郎の首でもとってこなきゃ、旦那さまとおかみさんを助ける見こみはないぜ。どうしたものだろうお嬢さん」
小僧の虎吉は、その将軍の首をねらった、天魔太郎をまえにおいて、こんなえんりょのないことをいうのです。