Japanische Klassiker mit Furigana
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のちのなりひらぶんじ
後の業平文治
三遊亭 円朝
Lesen Sie 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) von 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.545 Zeichen · 216 Bildschirme
と駈出そうと致しましたが、心を静め、
文「待てよ、先刻(せんこく)から表に佇(たゝず)んだまゝ近寄らぬ処を見れば、日頃女房に恋い焦(こが)れている我が心に附け入って、狐狸(こり)のたぐいが我を誑(たぶら)かすのではないか知らん、いや/\全く人かも知れぬ、兎も角も声をかけて見よう」
と度胸を据(す)えて、
文「表においでなさるのは何方(どなた)でござる、私(わたくし)は此の山中に迷うて居(お)る女子(おなご)を尋ぬる者でござるが……」
と云いながら静かに立って女の側に立寄ろうと致しますと、件(くだん)の女は二三歩後(あと)へ退(さが)りまして、
女「おのづから涙ほす間(ま)も我が袖に」
文「露やは置かぬ秋の夕暮」
町「えッ、そんなら貴方は旦那様か」
文「おゝ、お町であったか」
町「旦那様ア、御免遊ばせ、おゝ嬉しい、おゝ嬉しい」
と馳(は)せ寄って文治に抱き付き、胸に顔当てゝ、よゝとばかりに泣き悲(かなし)んで居りまする。文治も拳(こぶし)にて涙を払いながら、左手(ゆんで)に確(しっ)かりとお町の首を抱えて、
文「町や、よう達者でいてくれた、よもや此の世の人ではあるまいと思うた、よう達者でいてくれた、こんな嬉しい