Japanische Klassiker mit Furigana
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かいきよんじゅうめんそう
怪奇四十面相/宇宙怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.581 Zeichen · 364 Bildschirme
小林君が、ヒョイと門をでますと、平野君のおうちの塀にピッタリ身をつけて、ひとりの男が立っているのに、気づきました。まるでヤモリのように、塀にくっついているのです。
「へんなやつだな。」と思って、じっとみつめていますと、男のほうでも、小林君に気づいて、ハッとしたように、いきなり、むこうへ歩いていきます。逃げていくのです。あやしいやつです。
小林君は、すこし、あいだをおいて、その男のあとをつけました。夕やみのなかですから、おたがいのすがたも、ハッキリとは見わけられないほどで、尾行をしても、さほど、めだちません。
その男は、ダブダブのネズミ色のオーバーをきて、ネズミ色のソフトをかぶっていました。小林君が尾行するのを、知っているのか、知らないのか、男は、あとをも見ずに、トットと、歩いていきます。しばらくいくと、いっぽうの塀が、とだえて、ひろいあき地にでました。そのまんなかに、ふるいカシの木が、空いっぱいに枝をひろげて、そびえています。小林君は、気がつきませんが、これは、いつかの夜、トカゲ怪人が、茶色の洋服をきて、高い枝に腰かけていた、あのカシの木です。
ネズミ色のオーバーの男は、そのカシの木のほうへ歩いていきましたが、ふと気がつくと、もう、すがたが見えません。