Japanische Klassiker mit Furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme
それからどれほどたったのか、ふと眼をあくと、わたしはさっきのまま座に向いた謁見室の入口の側廊に倒れていて、眼も見え、耳も聞こえるのですが、全身が痺れたようになって身動きすることも声をだすこともできません。どうしてこんなことになったのだろうとかんがえつめて行くと、さっき鮎子がいきなり駆けだしたのは、当然わたしが追いかけてくるのを予想して酒棚の前へおびきよせ、余計な手だしができないような状態で転がしておくために、たぶんマンダラゴラかなにか、そういった種類のものを盛ったのだとわかりました。
わたしは文字どおり手も足も出なくなって、丸太のようにぶざまに寝ころんだまま漠然と天井をながめていましたが、謁見室に人のけはいがするようなので眼をうごかしてそのほうをながめますと、ハムレットが王座に坐り、その下に阪井と鮎子と琴子が会議でもするように影のように黒々と掛けているのが見えました。なにがはじまるのだろうと耳をたてていますと、長い沈黙ののち阪井の声で、「君の不幸は宿命というもので、君が生れたとき、すでに身につけて来たものなんだよ。おれという人間がどんな力を持っていたって、こうまで完全に君を不幸にすることができるもんじゃない」