Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こいのでんしちろう

恋の伝七郎

山本 周五郎

Lesen Sie 恋の伝七郎 (こいのでんしちろう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.650 Zeichen · 60 Bildschirme

Aozora Bunko

裏長屋も寝しずまってしまう、まっ暗がりの危い足許を拾い拾い、忠太の家の表へ来た伝七郎、閉まっている戸を叩くとすぐに中から返辞があった。

「誰だ」「おれだ、伝七郎だよ」「伝さんだって、構わず開けて入ってくんな」と云う、なるほど鍵なんぞ掛っているわけはない、がたびしする戸を開けて入る、すぐに後を閉めて上ると、忠太郎が行灯に火を入れ、夜具を隅の方へ押付けた。「こんなに更けてからどうしたんだ、なにかあったのかい」「あったんだ、済まないが水を一杯飲ませてくれ」「水はねえや、湯冷しでもいいか」「なんでもいい、喉がひりつきそうだ」「口からやってくんな」かかる世界では不作法が作法である、湯沸しをそのまま取って差出すのを、伝七郎は口から吸いつくように喉を鳴らして飲んだ。「さあ、おちついたら一つ話してくんな、いったいどんな事が起ったんだ伝さん」「なにもかも目茶苦茶だ、なにもかもだ、おれは腹を切らなきゃならなくなった」「なあんだって」「腹だ、切腹だよ」「いったいそれはどういうわけなんだ」「他に相談する者はなし、やっぱりおまえに聞いて貰いたくって来た