Japanische Klassiker mit Furigana
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ばしゃ
愛の挨拶・馬車・純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme
すると、天理教の信者はしばらく黙って由良の顔を見ていたが、そのままだんだん逃げるように由良から遠のいていくと、向う岸の岩の方へ渡っていった。由良はそんなふうに理由もなく急激に変化し出した信者の様子を見ていると、ふと、これはきっとあまりうるさく訊いたので、自分を狂人だと思い出したのにちがいないと気がついた。勿論、由良は、今までから他人に質問をしたり、人のいないときこっそり見られたりすると、ときどき狂人だと疑われたことは一度や二度ではなかったし、それにこんなにいろいろな頭の悪い病人のより集っている所に来ている以上は、自分が人を狂人だと思っているのと同様に人からもそんなに思われることだって、当然なことだと思った。すると、いつも自分が狂人と間違われたときに、相手が周章てふためいた滑稽な状景が思い出されて、自然にそのときの心の一角に波立った微笑が再び湧き上って来て、いくら圧えようと努力しても、笑いは唇をぴくぴく慄わせて突き上げて来るので、ひと思いにもう信者をひっつかまえて、頭から彼の疑いをはっきりと訂正したくなって来て、彼のあとから湯の中を泳いでいった。