Japanische Klassiker mit Furigana
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ばしゃ
愛の挨拶・馬車・純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme
それで由良もそれではという気になってまたそのまま腰を落ちつけたが、ふとそのとき、先刻みた自分の卦に、「水、雷、屯」と出たのを由良は思い出した。易辞によると、それは「剛柔始交而難生。動二乎険中一。」とあって、万事難渋のときなれば隠忍すべし。との意味であった。由良はおかしくなって笑わざるを得なかったが、花江の前で意味もなくげらげら笑うことも出来ないので、笑いにまぎらせて逆に花江に、あなたのお父さんの今日の卦は「天火同人」と出たのですが、これは協同にて事をなすによく、婚姻なるも不貞の惧れありというのだそうです。そこへあなたがいらっしたのだから、今日の先生の卦は落第ですと云った。すると、花江も面白そうに笑いながら、それでも相談事があって今日は来たのですから、そのことだけは上手くいくかもしれませんわと云い返えした。
「しかし、天火同人というのは、上長の命に従って、目下の者には服従するなという意味が一番強いのだぞ。それでも良いか。」
そう学者は娘に云い返すと、娘も由良も崩れ返って笑ってしまった。ところが、最初の同座でどちらもそんなに大笑いをしてしまったということは、お互の羞しさも警戒も吹き飛ばしてしまったのと同様なのだから、それからはもう一座は和気藹々となって、しばらくはなるだけ面白そうな話ばかりを誰も彼も饒舌り出し