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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばしゃ

愛の挨拶・馬車・純粋小説論

横光 利一

Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、彼は初めて卦を立ててみたが、現れた卦の易辞を見ると、「水天需」と出た。これは急進すれば大難あり。急がずば必ず幸運来るというのであるから、夢殿村もそれでは浮かばれるのかもしれないと思って、先生のはどうですかと訊くと、自分のもそれとだいたいが似たようなものだがいくらか違うと学者は云いながら、算木を置き変えて、「風水渙」と置いた。それは憂い悩み消散し、祭祀をなすに吉というのだから、由良の卦ともおおよそ似たようなものなのだ。

「それでは私はもうこれで、先生の代理が出来るわけですかね。ひとつなるだけ早く免状をいただきたいものですね。」

と由良は笑っていうと、「免状か、それじゃ、そのうちに何とか免状を造っておこう。」ということになって、その夜は由良は学者のところから帰って来た。ところが、由良が外へ出ようとすると、戸口のところにひとり信者がじっと立って由良の顔を睥んでいた。それで由良は黙って信者の前を歩き出すと、信者も由良の後からついて来て、なかなか放れようとしないのである。

「君、何んか用かね。少しうるさいじゃないか。もっとはきはきしてくれないか。」

由良が人家のなくなった草むらの中まで来たとき、後ろから何をされるかしれないと思ったので振り返ってそう信者にいうと、信者は急に歯を出してにやにや笑い出した。